高血圧

高血圧とは

血圧が慢性的に高い状態を「高血圧」と言います。
高血圧は、放っておくと脳卒中や心筋梗塞など重大な病気を引き起こす原因になります。
そのため、早めに診断を受け、適切な治療を行うことが大切です。

症状

多くの場合無症状ですが、以下のような症状がある場合はご注意ください。
  • 頭痛や肩こりが慢性的に続き原因不明
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 動悸 など

高血圧の原因

大きく 本態性高血圧二次性高血圧 に分かれます。

本態性高血圧

多くの高血圧は本態性高血圧です。
原因ははっきり特定できない場合が多い。遺伝的要因や肥満、運動、塩分摂取過多、ストレスなどが関係すると言われます。

二次性高血圧

他の病気が原因で血圧が高くなる状態です。
主に腎臓の病気や内分泌のトラブルが関与するほか、稀に、腫瘍性内分泌疾患や薬剤によっても引き起こされることがあります。

治療をしないといけない理由

症状がなくても高血圧による血管へのダメージが進行し続けており、これを放置すると動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞、腎障害、心不全など重大な病気を引き起こす可能性があります。
高血圧は早めに診断し、治療を始めることが大切です。
重大な病気を発症してしまうと、命にかかわることになります。
例え命が助かったとしても、ご本人だけでなくご家族のその後の生活に多大な影響を及ぼすことになります。
高血圧を指摘されたらすぐに適切な治療を開始し、重大な病気の発症を予防しましょう。

治療方法

高血圧の治療では、生活スタイルの改善と薬物治療を行います。
まずは、生活スタイルの改善から取り組んで、生活スタイルを改善しても効果が出ない場合には薬物療法を行う場合もあります。

食事療法

食事内容の見直しが重要。具体的には次の栄養素管理(塩分管理、野菜や果物摂取 など) が中心です。

1日の塩分摂取目標

| 目標量 | 男性 7.5g未満 | 女性 6.5g未満 |

カロリー摂取目標

肥満は高血圧の原因の一つです。
BMI(体重 kg/(身長 m×身長 m))が25.0~29.9の人はBMIが20の人と比較すると、高血圧のリスクが1.5~2.5倍にも上昇します。
BMIが25以上の方はカロリー摂取量をコントロールし適正な体重に減量しましょう。
1日の推定エネルギー必要量(kcal)は次のようになっています。
身体活動レベル(カテゴリー)
年齢(歳)男性女性
低い普通高い低い普通高い
18~292,2502,6003,0001,7001,9502,250
30~492,3502,7503,1501,7502,0502,350
50~642,2502,6503,0001,7001,9502,250
65~742,1002,3502,6501,6501,8502,050
75以上1,8502,250なし1,4501,750なし

* 「ふつう」は自立している者、「低い」は自宅にいてほどんど外出しない者に相当する。 日本人の食事摂取基準報告書より

運動療法

定期的な運動をすることで血圧の改善が期待できます。
運動療法では、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動が推奨されます。息が続く範囲で、長く続けられる運動がより効果的とされています。毎日30分以上を目安に、継続することで血圧を下げる効果が期待できます。

生活習慣の改善

ストレス解消

ストレスを溜めることで血圧上昇が進行します。ストレスを発散できるような環境、楽しみをもつことが大切です。

アルコール制限

飲酒習慣も血圧を上げる原因となります。アルコールは控えることで血圧が改善します。
| 目安 | 男性:20〜30ml以下(ビール500ml)/女性:10〜20ml以下(ビール350ml) |

禁煙

喫煙は高血圧の原因となります。タバコに含まれる成分が、血管を収縮させ、交感神経を刺激することで血圧を上昇させます。また、喫煙はそれ自体で動脈硬化を促進します。
喫煙は高血圧を促進するとともに、心臓病や脳卒中などのリスクも高めるため、高血圧の方は特に、それ以外の方についても禁煙を強く推奨します。

適切な睡眠

睡眠不足や質の低下も高血圧の原因となります。十分な睡眠を確保することも大切です。

薬物治療

生活習慣の改善でも効果が不十分な場合には薬による治療を行います。
主治医と相談しながら定期的に通院して薬の調整を行います。
自己判断での中断や変更は危険ですので、必ず主治医の指示に従ってください。