胃の痛みや胃もたれ、胸やけ、吐き気などの不快な症状が長期にわたって続いているにもかかわらず、内視鏡検査などの詳細な検査で異常が見つからない場合、「機能性ディスペプシア(FD)」と診断されることがあります。
この症状は「機能性胃腸症」とも呼ばれ、かつては「神経性胃炎」や「ストレス性胃炎」として知られていました。また、明らかな炎症がないにもかかわらず「慢性胃炎」と診断されることもありました。
自覚症状があるにもかかわらず、炎症やその他の異常が確認できない疾患として、非びらん性胃食道逆流症(NERD)や過敏性腸症候群(IBS)なども挙げられます。
これらはそれぞれ異なる特徴を持っている病気ですが、症状にいくつかの共通点があります。たとえば、非びらん性胃食道逆流症(NERD)と機能性ディスペプシア(FD)では、どちらも胸や胃に不快感が生じる点が似ています。ただし、NERDでは主に食道、つまり胸の上部に不快感が集中し、FDでは胃やみぞおち、つまりお腹の中央部に不快感が生じるのが特徴です。